商品名(英語名および日本名)
Blincyto®:ビーリンサイト注射剤
薬剤のご紹介
- ビーリンサイト(Blincyto®)はBiTE(T細胞と腫瘍細胞のそれぞれに存在する分子を標的とする異なる抗体を結合させたもの)です。パッケージは静脈注射用の滅菌済、防腐剤フリー、白色から灰白色の凍結乾燥パウダーです。再発性または難治性の前駆B細胞急性リンパ性白血病(ALL)の治療に用いられます。
注射方法について
- 点滴静脈注射。時間をかけてゆっくり投与する必要があります。24時間または48時間以内に投与を完了させます。
注射時の注意事項
- ビーリンサイトでの治療期間及び治療終了後の48時間以内はすべて授乳または妊娠を避けるよう措置を取るようにしてください。
- ビーリンサイト注入後、血球数が減少することから、感染や出血しやすくなります。すでに感染している方との接触及び衝撃や負傷などに注意してください。
- ビーリンサイトでの治療期間中、ワクチンにより感染リスクまたはワクチンの効力が失効する恐れがあることから、ワクチン接種の必要がある場合、事前に医師に相談してください。
- ビーリンサイトでの治療期間中、神経系の副作用があらわれる可能性があります。できる限り運転せず、または重機や機械などの操作、または危険な機械作業に従事しないようにしてください。
起こりうる副作用
- サイトカイン放出症候群(CRS):この副作用は生命への危険性及び致命傷になる可能性があります。CRSの特徴には発熱、頭痛、悪心、無力、低血圧、アラニンアミノトランスアミナーゼの増加、アスパラギン酸アミノ基転移酵素の増加、総ビリルビンの増加及び播種性血管内凝固症候群(DIC)が含まれます。上述の副作用の兆候を密接に観察する必要があります。薬剤注射期間中にCRS関連の特徴が見られる場合は、ただちに医師に連絡しなければなりません。
- 中枢神経障害:脳病変、けいれん、言語障害、意識障害、意識混濁且つ方向感覚を失う、及びバランス障害が見られる可能性があります。薬剤での治療期間中に中枢神経障害に関する特徴が見られる場合は、ただちに医師に連絡しなければなりません。
- 好中球の減少:発熱の副作用と併発して発生する可能性があります。これらの副作用には生命を脅かす危険性のある恐れがあります。好中球の減少が続く場合は、ただちに医師に連絡しなければなりません。
- 肝酵素の増加:ビーリンサイトでの治療期間中一時的に肝酵素の増加が見られる可能性があります。治療期間中は集中的に各肝機能指数を観察し、異常が持続する場合はただちに医師に連絡しなければなりません。
通常時の飲食に関する注意事項
- 飲酒には薬物の副作用を強める働きがあることから、飲酒しないでください。
- 市販薬や漢方薬またはビタミンのタブレットを服用している場合は、事前に医師にお伝えください。