商品名(英語名および日本名)
DBL™ Vincristine:ビンクリスチン注射液
薬剤のご紹介
- 植物性アルカロイド類の薬剤です。主に細胞周期の間期の細胞分裂に作用し、維管束の重合反応を遮断することで、有糸分裂を中止させて腫瘤細胞の生長を抑制します。主に急性白血病、リンパ腫、ホジキンリンパ腫などの治療に用いられます。
注射方法について
- 点滴静脈注射。髄腔内注入は死亡事故を招く恐れがあることから、決して髄腔内注入は行わないでください。
注射時の注意事項
- 指、つま先、四肢にしびれや感覚異常の状況があらわれた場合は、注意深くケアし負傷しないようにしてください。
- 注射箇所に痛みや腫れがあらわれた場合はただちに医療スタッフにお伝えください。
- 本薬剤を使用すると便秘しやすくなります。治療期間中は水分を多く摂取してください。医師が処方した緩下剤は症状和らげる手助けになります。
- 妊娠中または授乳中の女性は使用できません。
- 注入後は血球数が減少することから、感染や出血しやすくなります。すでに感染している患者との接触及び衝撃や負傷などに注意してください。
- 薬剤の投与期間中はワクチンの作用が失われることから、H1N1インフルエンザワクチンや麻疹ワクチンなどの「弱毒化」ワクチンを注射しないでください。
起こりうる副作用
- 神経毒性:最もよくあらわれる副作用です。下肢の深部腱反射の消失、しびれ、刺すような痛み、痛み、指やつま先の皮膚の感覚異常などとしてあらわれます。
- 骨髄抑制:白血球数が減少させる作用があることから、この期間中は感染防止に注意する必要があります。
- 胃腸の不快感:悪心、嘔吐の症状が通常軽く見られ、制吐剤で改善できます。神経毒性による便秘、麻痺性イレウス。
- 泌尿器系:神経毒性による膀胱の無力化。さらには多尿、小尿、尿失禁または尿閉。
- 抜け毛:この症状はほぼすべての方に発生しています。事前に帽子、ウィッグなどのアクセサリーを準備するようおすすめします。
通常時の飲食に関する注意事項
- 飲酒には薬物の副作用を強める働きがあることから、飲酒しないでください。
- 市販薬や漢方薬またはビタミンのタブレットを服用している場合は、事前に医師にお伝えください。