商品名(英語名および日本名)
Torisel ®:トーリセル濃縮注射剤
薬剤のご紹介
- 本薬剤は白色から灰白色の粉末で、希釈と調整には専属の希釈剤を組み合わせる必要があります。主に末期の腎細胞がんやマントル細胞リンパ腫の治療に用いられます。実際の応用は医師の臨床での使用に準じます。
注射方法について
- 点滴静脈注射。ゆっくり投与する必要があります。
注射時の注意事項
- 妊娠中または授乳中の方は使用できません。
- 薬剤の投与期間中、アレルギー/インフュージョンリアクションを伴う可能性があります。予め予防性の抗ヒスタミン剤を投与後に点滴を開始する、または注入プロセスにてアレルギー反応があらわれた場合は、まず先に30~60分間点滴注射を停止し、再評価後に投与を継続するようおすすめします。
- 肝機能不全をり患している方は注意が必要であり、定期的な血液検査による観察が必要となります。
- 血糖値が高すぎる/ブドウ糖耐糖能異常:トーリセル濃縮注射剤の治療を受けている方には血糖値上昇の症状があらわれる可能性があります。このためインスリンの分泌を向上させる/または経口血糖降下薬の用量により血糖値をコントロールします。治療開始前または治療期間中は、血糖値の変化状況を追跡しなければなりません。
- 高血脂症:トーリセル濃縮注射剤の治療を受けている方には血中のトリグリセライド(中性脂肪)及びコレステロール値が増加する症状があらわれる可能性があります。このため薬剤の使用前または期間中には、定期的に血中コレステロールとトリグリセライド(中性脂肪)を観察しなければなりません。
- 厳重な腸の疾患:注射後新たに腹部の不快感、腹痛の急激な悪化または血便の症状があらわれた場合は、ただちに医師の診察を受診してください。
起こりうる副作用
- 骨髄抑制:治療期間中は免疫機能が低下するため、密接に感染症が発生していないかどうか観察しなければなりません。
- 全身性疾患:筋無力症、浮腫。
- 筋肉痛、関節痛:これらの症状は通常一時的なものです。通常投与後2~3日で発生し、数日以内に和らぎます。
- 消化器系:口腔粘膜炎、食欲不振、悪心。
- 皮膚関連:発疹、掻痒。薬剤で予防できます。
- 新陳代謝関連:高血糖、高コレステロール。定期的な観察が必要です。数値が高すぎるなど、薬剤の服用によりコントロールできます。
- 傷口の癒合不良:傷口の癒合不良があらわれる可能性があります。このため手術前後に薬剤での治療を受ける場合は、特に注意が必要になります。
- 薬剤の投与期間中はワクチンの作用が失われることから、H1N1インフルエンザワクチンや麻疹ワクチンなどの「弱毒化」ワクチンを注射しないでください。
通常時の飲食に関する注意事項
- グレープフルーツ、グレープフルーツジュース、セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート、St. John's Wort)の飲用や食用しないでください。
- 市販薬や漢方薬またはビタミンのタブレットを服用している場合は、事前に医師にお伝えください。